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町内会と行政の関係―インフォーマルな関係の重要性
―2006年04月15日

若い未熟な人間が偉そうにとやかくいうべきではないと思うし、常に謙虚さをもって先人に教えを受けながら生きているが、若さ故に見えるものもある。組織に縛られた大人による若者批判に対して、稚拙ながらも一言言いたい。

私は組織とか制度とかいったものが嫌いだ。ある制度や組織に長く居座ると、その論理が身に染みこみ、「常識」となり、強い者と弱い者が生まれ、外からの批判は遮断され、現実の他者に対する共感が失われる。とはいえ、人間は一定の制度や組織なしには生きていかれないのも事実である。

しかし、すべての人が「組織人間」になるかといえば、そうでもない。何かと仙台市の行政は批判されるが、一人一人の市の職員の方と知り合い、インフォーマル(非公式的)に話を伺ってみると、硬直した考えをもっている方などごく少数であることがわかる。それぞれの方が、行政組織を、そして仙台市を少しでも良くするための方策をさまざまに考えながら、官僚組織なるものを前に苦悶しているのだ。そうした矛盾を生きている職員に対して、「血の通っていない」などと一方的に批判するだけでは(もちろんそうした批判が有効な事例はあるだろうが)、職員の方も態度を硬化させるだけだ。行政に対する紋切り型の批判は聞き飽きた。

町内会と行政の関係も「組織」的な関係をみるだけでは何も解決しない。町内会長の中にも、まさに「血が通っていない」というように行政を見る方や、「行政は勝手に施策を打ち出して、私たちの考えなど聞こうとしない」と不満をこぼす方など、批判のまなざしを向ける方々が大多数である。おそらく、そうした見方に一面の真理はある。町内会長の奮迅ぶりにはもっと多くの目が向けられるべきだ。しかし、単位町内会の組織的論理をもって官僚制の論理を批判しても、「協働」からは程遠いし、何ら生産的ではない。実際、調査を進める中でわき起こった私の疑問は、「どうしてほとんどの町内会長が同じような不満を持っているのに、何も変わらないのだ」とうことであった。組織の論理は難攻不落だ。

さらに町内会と行政のいずれにも距離をおく立場からは、紋切り型の批判がなされ、それによれば、行政と町内会は「持ちつ持たれつ」の癒着した関係にあるという。しかし、以上みてきたことから明らかなように、これほど無責任な批判もない。「外から批判する人はお気楽でいいですね」。

町内会長は、町内のさまざまな問題に対して、行政に陳情にいく。しかし、中には陳情が実にスムーズに聞き入れられている町内会もあれば、ぜんぜん相手にされていない町内会もある。後者の町内会長の方からは、やはり行政に対して「あいつらは人間じゃない」などということを伺うわけであるが、なぜ差が出ているのか。

ここで、「そこに癒着があるからだ」とか「別の力が働いているからだ」という見方をされるかもしれない。しかし、ここで問題にしたいのは、もっと別のことであって、陳情がうまくいっている町内会は、組織の論理のみで動いていないということだ。つまり、ここで強調したいのは、行政職員と町内会長の間に、人対人の関係が成り立っているということだ。

ある町内会の例。そこの町内会長さんは、陳情する際も行政職員の大変さを慮る。何もかも行政に任せてみたってダメだ。彼らも忙しいのだから。そこでインフォーマルなかたちで自分で陳情内容について下調べをする。

たとえば電灯が町内に不足していると感じたら、ただ「増やしてくれ」というのではなく、町内の地図に電灯の設置状況をマーキングし、それを職員に見せて、「やはりこことここに足りない」と指摘するわけである。すると職員の方も、そこまでするのなら、ということで陳情を聞き入れてくれるということになる。

さて、この事例を紹介したところで、「やはり仙台市は町内会におんぶにだっこではないか」という指摘をなされるかもしれない。しかし、私が指摘したいのは、「陳情する際には、町内会も頑張りましょうね」などといったことでは断じてない。

重要なことは、両者の間にインフォーマルな関係性が成立しており、それが極めて大きな意味を持っているということである。もちろんインフォーマルな関係性には、良い面も悪い面もある。ここで指摘したいのは、その良い面を展開させていくということだ。

いま、不透明な部分の多い町内会と行政の関係を明確にすることが求められている。しかし、そのことを組織の論理でフォーマルにいくら検討したって、「強さ」の論理がぶつかりあうだけで、うまくは収まらないだろう。

地域自治に携わる、行政職員や地域組織の方々は、何を思い、どのように働き、どのような矛盾を抱えているのか。その思いをインフォーマルなつながりによって樹茎のようにつないでいくこと。みなが、組織の「強さ」の論理から自由になり、すべてを明らかにし相互理解し合っていくこと。重要なのは、人と人との弱いつながり、である。

むろん、利害が絡むインフォーマルなつながりには透明性がなくてはならないが、そうしたつながりのなかからしか、これからの可能性は生まれてこないだろう。組織の論理に取り込もうとするのはやめていただきたい。
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この記事へのコメント

NPO法人 マンションオ-ナ-ズコミュニティ-(長宗敏治
マンション管理組合 理事会 自治会 上位下達でなく合意形成を考えています。
10年ほど頑張っていますが赤字が増えるばかりです。何か良いアドバイスがあれば教えてください

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マンション自治会論
以前に自治会と管理組合についての記事を書かせて頂きましたが2ケ月前の時点では、理解出来ていない部分も多かったため改めてまとめさせて頂きます。1.町内会と自治会 ある一定の地域内の自治組織を町内会や町会と呼びますが マンションや新興住宅地の場合自治会という

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